社員研修で大阪・関西万博へ。いただきますに込められた意味。
5月のとある日、社員全員で大阪・関西万博へ行ってきました。まいあめでは実に5年ぶりの社員研修。
前回はオリジナルキャンディーのオーダーをいただいていた”咲くやこの花館様”へ。その前は9年前に、三重県伊勢で開催された菓子博へ。コロナ禍を経て5年ぶりの実施となりました。
きっかけは、まいあめで生産しているフラッシュキャンディーが万博の公式グッズとしての販売が決まったこと。
行こう行こう!と鼻息荒く敢行決定したのは万博が開催される数ヶ月前。
まだまだ遠い先の話と思っていたのに月日が流れるのは早く、気がつくともう開幕しており、どうやら抽選のあるパビリオンをみるには2ヶ月前抽選や7日前抽選といった事前予約が必要なよう。行きたいパビリオンは全員ばらばら。希望を募ったり、細かい部分をチェックしたり、万博担当スタッフたちがチケット管理や予約、MAP作成などしてくれたおかげで、みんながワクワクしながら当日を迎えることができたのでした。改めて、ありがとう!
朝7時半集合、8時の新幹線で、いざ大阪へ。
目指すは万博会場で陳列されているミャクミャクフラッシュキャンディー!
座席はくじで当日のお楽しみスタイル。
名古屋から大阪まで、1時間弱。カルガモのように列を成しながら乗り換えをして、歩いて歩いて、いざ万博会場!
パビリオン予約はEARTH MARTのみ。入場後に当日予約を試みたものの完敗し、当日回れるものを回る!と決め、まずは食いっぱぐれないように食事タイムへ。お昼の混み合う時間を外して、入場後すぐに、日本人の口に合うと話題のサウジアラビア館のレストランへ一目散したのですが、なんのなんの・・・・パビリオン前に着いた時点でレストランは2時間まち。
大人数で食を囲むスタイルだったので、社員研修にぴったりだねと計画していたのが無惨に崩れ去ったのでした。
せっかく社員研修で来たので、全員一緒に食事を囲みたい!とは思うものの、レストランはどこもいっぱい。オープン前のお店も、オープンするのを今か今かと待っているお客さんで1回転目は終了しそう。これはもう、ばらばらになって好きなものをそれぞれ食べてもらった方が良いのではという空気になるなか、フードコートの前を通りがかったとき、偶然にも大人数が座れるテーブルを発見。急いで席を確保すると、奇跡的にぴったり全員分椅子が固定された、全員座れる席の確保に成功。わたくし大歓喜。いろいろ買ってこよう!と大阪名物やタイ料理、韓国料理をたくさん買って、みんなでシェアできたのでした。
こういう時は食いっぱぐれが一番大問題。「食べてない」という事実に不満が募るし、個人で行った場合は空いてから食べればいいや、という気持ちになれるものの、社員研修という大義名分を背負っている以上、みんなに食べさせなければ!という思いでいっぱいになってしまうので、食べるということ、無事食べれた、みんなで食を囲めたということに非常に安堵したのでした。
無事お腹を満たした我々一向、次に目指すは今回の目的、お土産売り場。さてさて、どんな様子でお店に並んでいるのでしょうか。まずは西ゲートのJR東日本の公式ストア。どこを見てもミャクミャク、ミャクミャク、ミャクミャク。人、人、人。いました!店内中央部にー!並んでいました。
東ゲートの大丸松坂屋百貨店の公式ストアにも。
こんなにたくさんのミャクミャクグッズがある中で、万博の会場内に並ばせてもらっていることに感謝し、製造してくれている職人さんたち、関わる全ての人に感謝の気持ちが浮かんできました。
最終までいたメンバーは、夜にミャクミャクキャンディーを会場で光らせてきたようです。
そう、夜に本領発揮するんですよね。
お子様たちが羨望の眼差しで見つめてきた!と口を揃えて言っていました。
ぜひお土産に、自分用に、お買い求めくださいませ〜!
そして13時半から、予約のEARTH MARTへ。
ここからはネタバレになってしまうので、知りたくない方はご注意ください。
EARTH MART 食を通じていのちを考える、そのテーマにまずくらう。
日々口にするもの、1日に何回”いのち”をいただいているのだろう。そんなことを考えながら食べたのは、いつが最後だっただろう。
入場は数十人ずつ。暗闇の大きなホールに通される。目の前には土鍋でお米を炊く様子、炊き立てのほかほかのご飯をたべる様子が映し出される。まず、あ、美味しそう。ごはんってこうやって食べるんだ。いや、これがご飯の醍醐味というか、一番美味しい食べ方なのではないか。食と向き合う。まさに、食に対峙して「いただきます」を体現した映像だった。
そして、中へ。
中は「いのちのフロア」と「未来のフロア」に分かれていて、まずはいのちのフロアから。
目の前いっぱいに枯れた植物が並ぶ。なんで全部枯れているんだろうと思っていると即座にスタッフのお姉さんが口をひらく。ここに並んでいる野菜は全て、長崎県雲仙市で年間50種類ほどの野菜を育て、収穫して終わりではなく、枯れるまで待ち、種を採り、またその種を植えて、育てるといういのちのサイクルを続けている岩崎さんという方の畑で採れた野菜です。
野菜のサイクルを、種のサイクルをそんなふうに考えたことがなかったので、すごく単純ではあるけど、種を守るということが当たり前そうにみえて当たり前ではない、すごく奇跡的なサイクルなんだ。と教えてもらえた気がした。
いわしの展示。
地球で一番食べられてる魚、それはイワシらしい。一匹のイワシが一生の間に生む卵の数は約10万粒。大きくなるまでにいろいろな他の魚や海鳥に食べられるので、生存率が0.1%以下とし、そこから人間が水揚げできるのがその1割まで減る。そのうちの7割が家畜や養殖魚の餌とすると、私たちの口に運ばれるのはたったの3匹。食卓に魚が並ぶことがいかに奇跡的な確率かと愕然とする。海で生きている間も、水揚げされた後も、”食べられること”で他のいのちを支えている、食物連鎖の上で不可欠な存在。さかなへんに弱いと書くけれど、本当はいちばん強い、魚なのかもしれない。
そのほかにも、秤(はかり)にスーパーのカゴに入っているものを乗せ、それがいかに貴重か、いかにして手に届くかをビジュアルでわかりやすく教えてくれる展示も。見るだけの展示ではなく、なにかアクションをすることで知識を得られるので、子供から大人まで楽しめる。
また、世界の家族の1週間の食事が並べられた写真の展示も。ここで既視感を覚える。この写真の感じ、どこかで見たぞ。昔見た、「地球家族」という本の写真の雰囲気にそっくり。調べてみるとずばり同じシリーズ。”地球家族”は世界の家族の家の中にあるものを全部家の外に出す、という趣旨の本だった。ここでは、1週間の食事。写真はまさに現実。一目で足りすぎだと感じる国もあれば、家族6人でこの量かと唖然としてしまう国も。でもこれが現実。万博という場で世界の現実を知ることは、とても意味のあることだと思う。
鶏、豚、牛の赤ちゃんの写真を展示し、その下にトレイに入ったお肉の展示。
こうなるためだけに生まれてくるいのちがある。そのことをもっと理解して、感謝して、いただきますをしないとな。と思い知らされる。
そういえば「いただきます」は日本語にしかない表現と聞いたことがある。目の前にあるいのちだけではなく、育て、獲り、運び、調理してくれた人たちすべてへの感謝の言葉として、いただきます。関わるすべてへの祈りであり、感謝を表している。八百万(やおよろず)に神が存在すると考える日本ならではの言葉だな、と実感する。
私たちが扱っているキャンディーも、同じ。暑い日も寒い日も大地と向き合い甜菜糖を育てる人がいて、収穫し、運ぶ人がいて、それを使い、製品にする人がいる。目の前にある飴は、存在としてはその誰一人として欠けてしまったら完成されない。そんなことを、わかっているようでいつも忘れかけてしまう。そこにあるのが当たり前のように思ってしまう。それが当たり前ではないことに改めて気付かされた、貴重な体験であった。
そして、未来のフロアでも嬉しい発見があった。
みんなが幸せになる未来のお菓子をテーマに、日本をはじめ、様々な国に暮らす9~11歳の子どもたちからアイデアを募集し、400以上集まった中から選定された約34作品が、プロのCGデザイナーによって再現された展示。
子どもたちが考えたお菓子の中に、キャンディーが多くあったことだ。
「〜のお菓子」を考える、となったときに、お菓子=キャンディーが出てくる確率が高いことを意味していると思う。
もちろん、昨今のお菓子の代表格、グミもたくさんあるが、キャンディーもまだまだ子どもたちの頭の中にある。それが事実として目に見えたことが嬉しかった。そして「キャンディーで人を幸せにしたい」と考えてくれる子どもたちがいることに、幸せと、ありがたみと、まだまだキャンディーいけるじゃん。と背中を押された気がした。
食品に携わる人間として、みんなでここを回れたことにとても意義があったと思うし、ここで得た経験をすこしでも日々の業務に還元できたらな、と感じながらEARTH MARTを後にした。
そこからは大屋根リングを歩いたり、早帰宅チームもいたので解散となり、5年ぶりの社員研修は幕を閉じたのだった。
みんなの楽しそうな顔を見ることができてよかった、というのが一番。また、みんなでこうして研修に行けるように、日々邁進していこうと心に誓った意義ある一日だった。