世界屈指の再現性Reproducibility
組み飴でどこまで再現できるか?
印刷物のように原画通りに再現することはできません。
組み飴の絵柄は、その絵柄に必要な色数に切り分けた飴に色付けし、たくさんの細長いパーツを作り、全てのパーツを丸太状に組み上げて作ります。詳しくは「組み飴の作り方」をご覧ください。
最後にその丸太状の飴を2cmの太さに引き伸ばしてカットすることで一口サイズの飴が完成しますが、これらの過程はすべて職人の手作業です。そのため、出来上がりの飴の絵柄を、印刷物のように原画通りに再現することはできません。
どのくらいまで原画を再現できるのか?
まいあめの概要書(お客様入稿の原画を元に、まいあめの組み飴専門デザイナーが作成する「組み飴完成イメージ図」で、製作現場でも使用するまいあめの設計図)と、実際に完成したまいあめの製作実例です。
絵柄の製作可否の判断と組み飴概要書のご提案
まいあめでは、お客様にご入稿いただいた原画から、組み飴作りのための概要書を作成しご提案します。
概要書は、組み飴専門デザイナーが、職人と相談しながら作成しますが、
- 組み飴として製作できる絵柄の複雑さの限度
- 特定の色同士の飴を組み合わせたときの、独特の発色のしかた(元々透明な飴は光を通しますので、隣り合った色同士が干渉し合います)
- 組み飴ならではのゆがみ方や曲がり方を踏まえた、組み飴にマッチした表現
などに配慮しながら、お客様がご希望の絵柄で表現したい意図や、一番に伝えたいメッセージが、完成した飴からできる限り伝わるような概要書の作成を心がけています。
概要書作成の流れ
沖縄県粟国村役場のキャラクター「アニーちゃん」のまいあめ製作を例にご説明します。
原画のご入稿
お客様からキャラクターのイメージ画像が送付され、オリジナルキャンディーを製作したいと依頼がありました。
原画の再現範囲の確認
組み飴の絵柄は直径約20mm、外巻き(外周部)を除くと約15mmの中に組み込まれますので、スペースの制約があります。ご入稿いただいた原画の絵柄のうち、組み飴として製作する部分を確認します。
今回の絵柄で言うと、キャラクターの全身を入れることはできません。キャラクターの顔の部分を組み飴として製作することをお客様にご説明し、了承いただきました。
組み飴用の概要書作成とご提案
組み飴では印刷物のように細かな表現がしづらく、あまり細部にこだわりすぎると全体の完成度が落ちたり、絵柄として印象が薄い(面白みのない)ものになってしまう場合もあります。
そこで、組み飴用の概要書は、組み飴ではもともと再現不可能な部分に変更・省略を加えたり、原画の「絵柄」として最も特徴的な部分をより強調・デフォルメして表現することで、飴の絵柄全体から受ける印象を原画に近づける、などといった工夫をしながら作成しご提案します。
今回のアニーちゃんの例では、ご入稿いただいた原画に
- グラデーションを再現できないので単色にする
- 特徴である手ぬぐいを少し大きめにデフォルメする
- 髪につけた葉飾りを簡略化する
- 黒い輪郭線を可能な限り省略し、必要な場合は透明の飴を表す水色の線で輪郭線を入れる
(透明な飴は、隣り合う着色された飴が光を遮ることで薄いグレイに見える)
など変更・省略を加え、概要書を作成しました。
絵柄の作成と同時に、メインカラーや味にマッチした外巻きカラーの提案も行います。今回は「ほんのり塩サイダー味」なので、水色や紫で外巻きを設定しました。提案した概要書をご承諾いただき、製作・完成したまいあめがこちら。
絵柄の再現度や、手作り飴が持つ独特の風合い、温かみなどをとても喜んでいただくことができ、島の新たなお土産としてご好評いただいております。