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まいあめにとっての大義?長く続くものが信頼されるのはなぜ?

職人

以前ある講演で耳にした
「人は大義に弱い」という言葉が、頭から離れない。
かれこれ3年は経つというのに。

大義、それは次のようにある。

大義ー
1. 人として守るべき道義。親への孝行など。「大義に殉じる」
2. 重要な意義。大切な事柄。「自由平等の大義を説く」

この言葉が事あるごとに問いかけてくる。
まいあめにとっての大義、それは、度々ここにも書いてはいるのだけど、「この組み飴の伝統を守る事」
であるし、「次の世代につなぐこと」である。
この願い、思いの前では私たちは圧倒的に弱い。
この為ならどんなことだってしたいし、一丸になれると思っている。
こんなご時世で、もちろん私たちも苦しいし、自分たちのことでいっぱいいっぱいになってしまうこともあるけれど、私たちがなんとかやっていれるのは、飴を作ってくれる職人さんがいるからということを1日たりとも忘れずにいたい。
そして、なんとかこの状況を乗り越えて、「守っていく」「繋げていく」のだ。

それにしても、なぜこんなに「守る」「繋げる」ことにこだわっているのだろう。
「守る」「繋げる」ことに大義を感じてしまうのはなぜだろう。

思えば、2018年、アメリカのオンラインメディア”BuzzFeed”の”Worth It”というyoutubeチャンネルで
まいあめを取り上げてもらったことがあった。

動画の中にもすこしだけ対話の様子が映っていて、実際に使われはしなかったものの、
その対話の中で「なぜ長く続くものを大切にするのですか」という質問を受けた。質問はぶっつけ本番、わたしは即座にうまく答えることができなかった。
そのシーンは使われなかったから良かったものの、事あるごとに考える。
「なぜ長く続くとすごいのか」
「なぜ創業100年と聞くと信頼があるのか」

よくよく考えてみると、
「なぜ長く続くものを大切にするのですか」
という質問には、
「なぜ”日本人は”長く続くものを大切にするのですか」という意味が込められていたと思う。
ひょっとすると、海外では単に
「長い歴史があるから素晴らしい」
「長い歴史があるから守らなければならない」
という心理は、日本人ほど働かないのではないか。
だって、日本人からこんな質問をうけることはないだろうから。

きっと、日本人が歴史あるものを大切にするのは、日本ならではの伝統精神があるからだと思う。

2019年に実施された国土交通省による「国民意識調査」の「日本の伝統的な感性」という質問項目のなかでは、「伝統・文化」、「義理堅さ」、「調和」などが上位にあがってきている。

美意識

この「伝統・文化」の部分で言えば、日本人は大きく、力強いものよりも、小さく可愛らしいものや、
縮小されたもの(小さくまとまったもの)に対して美を感じてきたようで、そうした感性の中で盆栽や弁当などの「縮小した世界観」が生まれたと言われている。

「義理堅さ」の部分で言えば、日本人は古来より自分のことを多少後回しにしてでも他者を尊重する、
思いやりや礼儀を大切にする感性を有していると言われているそうだ。

さらに「調和」の部分で言えば、調和や協調を重視する姿勢も日本人の特徴的な感性であると言われているそうだ。
近代以降にパナソニックの創始者である松下幸之助が、日本人は「日本人が和を貴び、平和を愛し、お互いに仲良くしあっていこうとする国民」と述べていたように、「和の精神」をもっていると言われている。

アイキャッチ_組み上げ

そういえば、ここでいう義理堅さ、調和という部分に関して、この業界に入って驚いた事があったのを思い出した。
まず、名古屋の飴屋さんたちは、とにかく周りの飴屋さんとの距離が近い。物理的な距離ではなく、精神的にとても近い距離でお互い仕事をしている。
同じ組み飴を作る職人が、自分よりもっとベテランの職人にアドバイスを請い、ベテランの職人は自分の持てる技術を惜しみなく教えている様子を何度も見た。
はたから見ればライバルと捉えられてもおかしくない関係でもあるのに、困ったことがあると行ったり来たり。
職人同士が知恵を出し合い、お互いの技術をサポートしているように見えた。
道具の貸し借りだってするし、足りない材料があれば貸し合う。
きっとわたしたちが生まれるずっと前から各工場で関係があって、みんなで支えあって成り立っているんだ。と、びっくりしたのを覚えている。
他の業界がどうだとか、あまりわからないが、あまり考えられないことではないか、と今でも思っている。

同じ業界に身を置く仲間として、長い間ともに技術を磨いていて、他に抜きん出て「自分が良ければ良い」という考えではきっとないということ。
それはこのコロナ禍でも伺い知れたのだった。
観光業、イベント関連からの依頼が多いこの業界。コロナ禍の影響で依頼がぐっと減ってしまっている中で、
「~~さんのところは仕事が減ってきているみたい」「~~さんのところへ仕事を回してあげて」
など聞くたびに、
一件でも多く仕事を作らなければ、そう思うのだった。

そして、そうやって支えあって守られてきた技術だからこそ、私たちはなんとか「守りたい」「残したい」と思ってしまうのではないだろうか。
もちろん、職人さんたちは「伝統を残していこう」と思って日々製造に取り組んでいるのではないけれど、
結果として、長い時代を歩んできた。それは互いを尊重しあい技術を高めてきたからではないか。
それに加え、「時代にあった形で育まれてきた」ということに他ならないと思う。
だって時代にそぐわないものは淘汰されてしまうはずだから。

検品

守る、残すには2つの方法があると思っている。
1つは、何も変えず、そのままの形で残すこと、
もう1つは、時代に合わせて変わりながら残すこと。
まいあめはサービスを開始して10年が過ぎたけれど、
私たちもこの10年の間に世の中の時流に合わせて少しずつ変わってきたと思う。

まいあめ変容

まずは2017年にオンラインショップのオープン。
組み飴のみで走り続けてきたけれど、
2018年にペロペロキャンディーのセミオーダーサービスをスタート。
その後1cmタイプの”プチ飴”のサービススタート。
2019年にはサイトリニューアル。
2020年には、オリジナル型の3Dキャンディーやクリスマスシーズンに向けたキャンディーケーンなど、
組み飴一辺倒ではなくて、色々なキャンディーを提案できる会社に育ってきていると思う。

また、キャンディーの種類が増えたことに加え、
社内でのパッケージング作業の品質を上げ続けているので、商品化を検討するお客様からの相談・要望を聞くだけではなくて、
「こんな飴もあります!」だとか、「パッケージをこのように変えてみませんか?」など、「新たな提案」をすることで、よりよい商品をお客様とともに作っていける会社になってきたように思う。
そう。まいあめは10年目を過ぎ、「よりよい提案ができる」会社になった。
それは、スタッフが取引先のお客様目線になって、また消費者目線になって、「こうだったらいいよね」「このほうが素敵!」など社内での意見交換が盛んになっている証拠でもある。
古い体制が多く残ると言われているこの業界で、常に「新しいもの」「求められているもの」を追求し、
昔からある技法、技術を使いながらも、今の需要に応じた商品を開発していく。
職人さんからもアドバイスをもらい、最良の形にしていく。
これからも社会に求められる「まいあめ」であるために、そしてもちろん、わたしたちにとっての大義を守っていくために、どんどん変化、そして進化をしていきたい。