お客様インタビューInterview
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- お客様インタビュー 07
株式会社うずのくに南あわじ
巨大玉ねぎオブジェ『おっ玉葱』や、島の名産をふんだんに使用した『あわじ島バーガー』など、新たな切り口で淡路島の魅力を発信し続ける株式会社うずのくに南あわじ。そんな株式会社うずのくに南あわじさんから、淡路島の鳴門を思わせる「うずしおブルーキャンディ」、名産品の玉ねぎを模した「キュンと玉ねぎキャンディ」の製作依頼をいただきました。
今回は数々の斬新な企画を打ち出してきたうずのくにのメンバーの中から、専務取締役の宮地さん、常務取締役の松本さん、総合デザイン部部長兼デザイナー川上さんにインタビューを実施。まいあめとのコラボ商品が生まれた経緯やお客様からの反応、飴を活用した今後の可能性などについてお話を伺っています。
株式会社うずのくに南あわじとは?
中村(以下、中):まず御社の事業内容を教えてください。
宮地さん(以下、宮):「道の駅うずしお」と「うずの丘 大鳴門橋記念館」という2つの施設の運営をメインに行っています。お土産などの物販販売をはじめ、レストラン経営や各種イベントなど、淡路島の観光にかかる事業を幅広く手掛けています。
今でこそ多くのお客様にご利用いただいていますが、私がこの会社に来た10年程前は駐車場に車が1台も停まっておらず、売り上げも全然上がっていないような状態でした。しかし淡路島産の玉ねぎを使ったご当地バーガー『あわじ島バーガー』を販売したことを契機に、徐々に注目が集まり出したんです。それがきっかけとなり「きちんと淡路島を打ち出した名物商品が大事だ」ということを改めて認識しました。
当時はサービスエリアによくあるお土産品の取り扱いが多かったのですが、10年くらいかけてオリジナル商品を100点以上製作していきました。ここでしか買えないもの、淡路島にちなんだオリジナル商品をつくることで、お土産を目当てに来てくれる人が増えていったんです。
また私たちは商品開発だけでなく、淡路島の魅力を発信するための「おっタマげ!淡路島」などの企画も実施しています。ビジョンに「誰もが目指す目的地となる」と掲げているように、さまざまな角度から淡路島の魅力を発信しながら、「ここに来るために淡路島に来た」と言ってもらえるような施設にしていけたらと思っています。
飴を使った商品を企画した理由
中:淡路島にちなんだ多様な商品開発をされているうずのくに南あわじさんですが、今回なぜ飴を使った商品を企画することになったのでしょうか。
宮:現在「道の駅うずしお」は全面リニューアルを行っており、仮営業をしている「うずまちテラス」と「うずの丘」は車で5分くらいのところに位置しています。近くにあるにも関わらず2つの施設で同じ商品を売っていることも多く、なかなか商品を差別化しにくいという課題を感じていました。
うずの丘の“玉ねぎ”に対して、うずまちテラスの方では“うずしお”をモチーフにした商品を考えたいなと思っていた折、たまたまInstagramで富士山の形をした飴をアップしているある投稿を見かけました。私たちの商品は、『おっ玉葱』のようなフォトスポットで商品と一緒に写真を撮ってほしいという狙いを持ってつくられています。その投稿を見て「飴というのはシンプルで手軽に『映える』商品で、なおかつ名物をわかりやすく表現できるのではないか」と考えました。
川上さん(以下、川):それで「飴を使ってうずしおを表現するには」と考えたときに、うずしおの「ぐるぐる」とペロペロキャンディーがリンクしました。それが「うずしおブルーキャンディ」が誕生のきっかけです。
宮:「キュンと玉ねぎキャンディ」の方は、うずしおキャンディの後で思いつきました。飴の製作ができる会社を探してまいあめさんのホームページに辿り着いて、そこでかぼちゃの飴を見たときに「これは絶対に玉ねぎだ!」となったんです。うずの丘の方は玉ねぎ推しなので、「これは活用できるな」となりました。
中:まいあめとしてはずっとかぼちゃとして見てきた飴なので「その発想はなかった!」と驚かされました。うずしおとペロペロキャンディーのぐるぐるを掛け合わせたり、かぼちゃの飴を玉ねぎに見立てたりと、掛け算の企画をされているのがとても印象的です。
宮:職業病というか、みんな常に玉ねぎっぽいものを探している部分はあります(笑)。
川:自分が買い物しているときも、玉ねぎの形のものがあれば「使えそうだな」と考えたりしてしまいます。
まいあめに依頼した経緯・決め手
中:まいあめにご依頼いただいたのはどのような経緯がありますか?
川:「オリジナル 飴」で検索してまいあめさんのホームページに辿り着きました。それで「めちゃくちゃかわいい!」と思ってみんなに知らせました。
宮:デザインももちろん素晴らしいのですが、ホームページとしてとてもよくできているなと思いました。他社さんのホームページでは「要問い合わせ」となっている場合が多いのですが、まいあめさんの場合ホームページを見るだけで、どれくらいの金額感でどのような商品ができるのかというのが具体的に分かったので安心できました。
でも依頼の一番の決め手となったのは、まいあめさんならただ注文したものを製作するだけでなく、次の展開にもつなげていけるのではないかという期待感が感じられたことです。
中:とても嬉しいです!どのような点でそう感じられたのでしょうか?
宮:中村さんのブログにあったねぎの飴の商品開発の話にはとても感動しました!ここで朗読したんですよ、そのブログ(笑)。商品開発に向ける熱量や気持ちが伝わってきました。
私たちもこだわった商品を開発しているので、ここまで一緒になってやってくれる人がいるのかと感銘を受けました。新しいことをしたい、飴を使って人を楽しませたいという企業としての想いが、私たちと通ずるところがあるなと思いましたね。
川:この人たちなら、絶対に一緒に楽しんでやってくれる!と思いましたね。また、既にあるものを違う切り口で考えるというところがすごく良いなと思いました。捨てるのではなく違う切り口から魅力を引き出していく、という考え方にも共感できました。
まいあめのねぎのブログはこちら:https://myame.jp/blog/2021/11/15/2194
商品完成までのやり取り・出来上がった商品を見た感想
中:お問い合わせをいただいてから商品を納品するまでの、まいあめとのやりとりはいかがでしたか?
宮:すごく早くお話を進めることができました。問い合わせしてから発注まで1週間かかっていないくらいだったと思います。
川:元々ホームページにしっかりと情報が載っているため製作にあたっての心配は少なかったのですが、やりとりもすごくスムーズで丁寧で、不安なく進めることができました。
中:実際に出来上がった商品を見た感想はいかがだったでしょうか。
川:届いてディスプレイされた「うずしおブルーキャンディ」を見て「ええやん!」となりました。実は色に関しては少しだけ不安があったんです。というのも、鳴門海峡の海の色は少し独特で、ただの青ではなく緑が入ったような色なので、その「うずしおブルー」というコンセプトをうまく表現する必要がありました。でも実際の出来上がりの商品を見て、うずしおブルーの色味がきちんと再現されているなと安心しました。
宮:玉ねぎキャンディの方は元々まいあめさんで製作されているものなのでもちろん不安はなかったのですが、実際にディスプレイをされているところを見て「完璧に玉ねぎだな」と改めて思いましたね。
お客様の商品への反応
中:お客様からの反応はいかがでしょうか?
宮:お客様からはとても良い反応をいただいています。最初はファミリー層に人気なのかなと思っていたのですが、幅広い方にご購入いただいていますよ。
中:二度目の発注もとても早くいただいたため驚きました。他社様ですと100本単位の発注が早くて半年後くらいに来るのですが、すぐに1,000本単位での発注が来たのはすごいと思います。
川:現時点で玉ねぎキャンディはうずの丘で約1,500本、うずまちテラスで約180本、うずしおブルーキャンディはうずの丘で約150本、うずまちテラスで約250本売れています。特に玉ねぎの方は、弊社で取り扱っている他の商品と比較しても売れ行き好調です。
パッケージも含めた商品全体のこだわり
中:今回の商品で、パッケージも含めてこだわった部分を教えてください。
川:うずしおキャンディの方は、色も含めて“うずしお”らしさを表現するということと、写真を撮ったときに“エモさ”を感じられることにこだわっています。若い女の子が青春を感じながら海と一緒に写真を撮ることを想像して、こういうワードにグッとくるんじゃないか、こういうタイミングで商品を誰かにあげたりするんじゃないかなとターゲットに響くように商品づくりを行いました。
宮:商品はディスプレイの仕方でも売れ行きが大きく変わります。だからこそディスプレイにもこだわり、ディスプレイ方法を変えながら毎日の売り上げの推移を見ています。
玉ねぎキャンディも、最初は引き出しのようなところに入れていたのですが、そうするとあまり売れませんでした。良く見えるようなディスプレイ方法を考え、ぐるぐる回る什器も自作しました。
中:買う直前のディスプレイも、買った後どう写真を撮ってもらうかというところも含めて、トータルで商品をデザインされているんですね。
商品企画やデザインを考える上で大切にしていること
中:パッケージやネーミング、ディスプレイまで含めた御社の企画性は、まいあめにとってもとても参考になります。御社では商品開発やデザインを考える上でどのようなことを大切にしているのでしょうか。
川:我々は日々淡路島の恩恵を受けて生活しているので、淡路島のことを知ってもらいたいという気持ちが前提にあります。淡路島とリンクさせた商品をつくり、その商品を持って景色と一緒に写真を撮ってもらう、その思い出をシェアしてもらうことで他の方にも淡路島に来たいと思ってもらえる。そんな好循環が生まれるような商品づくりを行っています。
宮:商品づくりにおいては、ストーリーも大切にしています。先日、東京のテレビディレクターの方から取材を受けたのですが、「こんなに楽しそうに1時間話す人はいない!」と言われました。
商品開発は別会社に委託しているという会社も多い中で、弊社はマーケティングもデザインもほとんど自社で行っています。だからこそ商品開発にストーリーが生まれるのかなと思っています。
そして何より熱量が大切ですよね。不思議なもので、我々の中でもあまり力を入れていない商品はなかなかバズらないけれど、熱量を込めた商品はなぜかバズるんですよ。何か伝わるものがあるのかなと思います。
中:御社は細部へのこだわりもすごいですよね。先ほどネオンアートを見て感動したのですが、さらに上を見たら照明が玉ねぎの形をしていて驚きました。
川:ありがとうございます。そういう、ちょっとした遊び心のある仕掛けを仕込むのも楽しいですね。気づいてもらえなくても自己満足、みたいな感じです(笑)。
宮:そのひらめきやアイディアをだめと言わないところが弊社の良いところでもあります。普通のマーケティングでは「やめておこう」となるところを、うちでは「これも面白そう」と否定せずにやってみるのは大きいかもしれないですね。
突飛な案でも、否定せずに盛り上がって「やろう!」となるんです。不足する部分があっても、社内で補い合いながら実現に向けて動いていける。それが商品や企画を考える上で重要なポイントなのかもしれません。
飴の商品価値とは?
中:御社で取り扱う上で、飴の商品価値はどこにあると思いますか?
川:私たちの商品は写真に撮ってもらうことを意図して作っているため、商品として映えるという点は重要です。それに加えて、形や色、味に自由がきくので、オリジナリティを出しやすいという点が、うちの商品ニーズに合っていると思います。
一方で敷居が高くなく、手軽に取り扱えるのも魅力ですね。価格帯も手頃で、思い出として持って帰って、他の人にパッと渡すこともできるのもいいなと思います。
宮:溶けないし賞味期限も長く、小ロットから発注できるとっつきやすい商材だという点はとてもメリットだと思います。
また、誰かにプレゼントすることでコミュニケーションツールにもなりますよね。単純に取り扱いやすいというだけでなく、さまざまな可能性を秘めた商品だと思いますよ。
「今後こんな商品がつくりたい」などの希望は?
宮:ここからは、弊社の常務・松本もインタビューに同席させていただきますね。先ほどお話したうちの施設のディスプレイは、松本が担当しているんですよ。
松本さん(以下、松):いろいろ考えて、売れると楽しいでしょ。例えば瓦せんべいを販売するときは、犬小屋の屋根に瓦せんべいを置くというディスプレイ方法にしてみたらすごく売れたんですよ。だからディスプレイを試行錯誤しながら売れ行きを見ています。
松:キュンと玉ねぎキャンディも、初めはあまり人の目に留まりませんでした。だから回転台をつけて回転させてみたら、売上がぐんと伸びたんです。
中:松本さんは毎日ディスプレイを組み直されていると伺いました。売上が好調なのは日々の試行錯誤の賜物でいらっしゃるんですね。
それでは松本さんも含めた皆さんにお伺いします。今後、まいあめと一緒にこんな商品がつくりたいという希望はありますか?
川:組み飴もいいなと思っています。「淡路人形座」という淡路人形浄瑠璃を保存・承継している団体とも関わりがあるのですが、組み飴と人形座の伝統芸能の掛け算ができるといいなと思います。
松:淡路人形座は少し古めかしくて伝統あるイメージなので、人形座のモチーフや家紋みたいな柄を組み飴で表現できるといいですね。
中:伝統と伝統の掛け合わせになるので、相性が非常に良いと思います。
あとは、現在まいあめでの取り扱いを検討中の「光るキャンディー」というものがあるんですよ。棒が光ることで飴が光を通して光るしくみになっています。それを玉ねぎの形でできたら非常に面白いのではないかと思います。
宮:めちゃくちゃ売れそうです。面白そうですね。
松:光が回転したら“光るうずしお”を表現できて面白いね。ネオンオニオン飴を打ち出すのもいいかもしれない。ネオンと一緒に写真を撮ってもらえると思うので、これはいいね。
中:ぜひ実現できるように頑張ります。
今後のまいあめに望むこと
中:今後のまいあめに望むことがあれば教えてください。
川:ペロペロキャンディーはお子様に欲しいと言ってもらえることも多いのですが、どうしても食べ切るのに時間がかかるということで親のストップがかかることがあります。そう考えると、この見た目のまま、噛みやすいようなものがあるとベストですね。
宮:確かに私にも娘がいますが、娘に買うとなったら小さいサイズの玉ねぎキャンディの方を買うと思います。小さなお子様が食べ切ることを考えると、噛める飴というのは良いかもしれません。
中:なるほど!強度が弱くなるので届けるまでに割れる可能性が上がるというリスクはありますが、べっこう飴などの種類なら可能かもしれません。御社の商品で考えると、玉ねぎの形のべっこう飴なども良いですね。
宮:まいあめさんのねぎの飴のブログを読んだときに、やりとりをしていく中で商品のアイデアが生まれたり形になったりしていく過程が素敵だなと思っていました。こうしてキャッチボールしながら良い商品をつくりあげていくのは我々の目指すところでもあるので、とても面白いですね。
中:まいあめとして飴の可能性を広げていくためにも、御社の商品開発に対するお考えや熱い想いはとても刺激になりました。商品についても貴重なご意見をいただきありがとうございます。本日はお忙しい中、ありがとうございました!