お客様インタビューInterview
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株式会社サンシャインエンタプライズ
地上40mのビルの屋上にある都市型水族館として人気を博す池袋の観光スポット「サンシャイン水族館」。独創的な特別展でも注目を集めており、2023年には3回目となる生き物の持つ“毒”にフォーカスした特別展『もうどく展 ReMix(以下、もうどく展)』を実施しました。
今回まいあめに依頼いただいたのは、もうどく展のノベルティ「ドックドク★キャンディ」。もうどく展のコンセプトを表す毒々しいカラーでSNSでも大きな話題となりました。
今回はもうどく展の企画・運営を担当されたサンシャイン水族館の今井俊宏さんに、飴を企画した経緯やお客様からの反応、ユニークな企画を考える上でのポイントなどについてお話を伺いました。
「サンシャイン水族館」とは?
中村(以下、中):サンシャイン水族館さんの運営会社である株式会社サンシャインエンタプライズさんはどのような事業を展開されているのでしょうか。
今井さん(以下、今):株式会社サンシャインエンタプライズはサンシャインシティのグループ会社で、サンシャインシティのアミューズメント事業の中核となる「サンシャイン水族館」と「サンシャイン60展望台 てんぼうパーク」の運営・管理を行っています。
「サンシャイン60展望台」と、サンシャイン水族館の前身「サンシャイン国際水族館」はともに1978年に開業しました。長年にわたり水族館を運営する中で培ってきた飼育技術などのノウハウを活かし、品川区が運営する公設民営の水族館「しながわ水族館」の運営受託事業も展開しています。
中:サンシャイン水族館といえば、「池袋観光スポット」で真っ先に挙げられるほどの人気施設ですよね。ターゲットはやはりファミリー層になるのでしょうか?
今:ファミリー層はもちろんですが、若い世代も含め多くの方にご利用いただいています。ただ池袋という本当にさまざまな方が行き交うまちにある水族館なので、若者からお年を召した方まで幅広い方に楽しんでいただく場所であればと思っています。
中:確かにサンシャイン水族館さんは、ペンギンが空を飛んでいるように見える「天空のペンギン」や、今回のもうどく展をはじめとする特別展など、さまざまな角度から楽しむことができるイメージがあります!
今:ありがとうございます!展示方法や特別展などももちろんですが、普段から展示している生き物も、ここでしか見られない日本初の生き物を入手できるよう頑張っています。
また夜間特別営業の企画では生き物の「性」にフォーカスするなど、本来ならタブーとされる領域も果敢に攻めていっています。そういったチャレンジングな取り組みができるのも、挑戦を後押ししてくれるような企業カルチャーがあるのが大きいですね。
中:運営会社のサンシャインエンタプライズさんだけでなく、サンシャインシティのグループ全体でそういった企業カルチャーがあるのでしょうか。
今:そうですね、サンシャインシティグループ全体にそういった雰囲気があります。社員の提案に対して基本的に「ノー」はないんですよ。もちろん筋が通っていることは必要ではありますが、挑戦に対して否定するのではなく、「こうしてみては?」という改善のアドバイスをもらえる環境があります。
「ドックドク★キャンディ」企画の経緯
中:今回、ペロペロキャンディの製作を企画された背景を教えてください。
今:まずは「ドックドク★キャンディ」を販売した今回のもうどく展の概要からお話しますと、もうどく展は生き物の持つ「毒」にフォーカスした特別展で、今回実施したものは過去2回開催したもうどく展のリミックス版となります。そのため、一度来たことがある方にも興味を持ってもらえるよう、付加価値のある商品をつくる必要があるのではないかと考えました。
今:「猛毒」というキーワードからいろいろな商品を検討していったのですが、やはりSNSで発信してもらえるようなものが良いよねという話になりました。手で持って会場内で写真を撮りたくなるような商品を考え、ペロペロキャンディに辿り着きました。
中:このペロペロキャンディをゲットしたら、SNSにアップしたくなりますね!もうどく展ではペロペロキャンディの他にもステッカーや食べ物・飲み物を販売されていますよね。それらは「オリジナルグッズ」という会場で買える商品として展開されているのに対して、ペロペロキャンディを「キャンディ付きチケット」というノベルティの形で展開されたのはなぜなのでしょうか。
今:今回「話題性をつくる」という点から、インパクトの強いノベルティ付き入場券を販売したく企画しました。もうどく展の入場者が、普通のチケットとキャンディ付きチケットを選べるという形式になっています。
中:想定された通り、インパクトの強いペロペロキャンディがお客様を呼び込む役割も果たしたんですね。
今:そうなんですよ。結果的にペロペロキャンディ以外のもうどく展グッズも爆売れしました(笑)。おかげさまで、すべて完売し、生産終了しました。
中:すごいですね!特別展の内容だけでなく、グッズもファンを惹きつけるものになっているんですね。
まいあめへの依頼理由と納品までのやりとり
中:ペロペロキャンディを製作するにあたって、まいあめにご依頼いただいたのにはどのような経緯があるのでしょうか。
今:最初は「ペロペロキャンディ」で検索してまいあめさんがヒットしたのがきっかけです。こちらが求める色合いの再現度が高いサンプルをつくってもらい、さらに費用やロットの相談に乗ってもらうなどフレキシブルに対応していただけたことが依頼の決め手となりました。
中:ご依頼いただいてから納品までのまいあめとのやりとりはいかがだったでしょうか?
今:メールの返信もはやく、すごくスムーズに進めることができました。ハロウィン時期などまいあめさんが忙しいであろう期間でも関係なく対応していただけたのでとてもありがたかったです。
「ドックドク★キャンディ」製作にあたってのこだわり
中:まいあめにご依頼いただいて製作した「ドックドク★キャンディ」は見た目もかなりインパクトのあるペロペロキャンディですよね。どのようなこだわりを込めた商品なのでしょうか。
今:会場全体が毒をイメージしたカラーリングになっているため、会場との一体感がある色味にすることを重視しました。実際の毒は無色透明のものが多いので、本当の毒というよりは、人々が毒と聞いたときにイメージするような色味を3パターンで表現しています。
今:なおかつ、飴を食べることで「毒をくらった」感じが体に出ないかな、という表現も考えていました。舐めて舌に色がつけば「毒をくらう」感じも表現できるし、SNSに写真をアップしてもらうときにも視覚的なインパクトになるかなと思い、そこにはこだわりましたね。まいあめさんにサンプルをつくっていただいた際も、色や味はもちろんのこと、舌に色がつくかどうかも皆で確認しました。
中:色に関してはかなり特徴的ですよね。まいあめでは赤黒の組み合わせはこれまでもありましたが、紫と緑と黒は初めてのカラーでした。
今:明らかにやばい配色ですよね(笑)。「毒々しくしすぎかも?」という不安もありました。でも蓋を開けてみるとそれを求めている人が多かったんだなと感じます。
中:おいしく食べることが前提の「お菓子」とのギャップがあるコンセプトの商品ほどヒットしたりするんですよね。今回の「ドックドク★キャンディ」は「猛毒」と言っているわりに食べられるのが面白いなと思いました。お打ち合わせの時点で「これは売れる!」と思いましたね。
お客様からの反応・売れ行き
中:先ほどもグッズがかなり売れたというお話がありましたが、キャンディ付きチケットは実際にどのくらいの割合の方が購入されたのでしょうか。
今:キャンディ付きチケットは売り切れてしまったために購入できなかったお客様もいますが、イメージでいうともうどく展の入場者数全体の1割程度はキャンディ付きチケットをご購入いただいたと思います。もうどく展自体がかなりの人気コンテンツなので、入場者の母数がとても多い中での1割というのは、かなりすごい数字なのではないでしょうか。
中:確かに、最初に納品したのが3月ですが、かなり早い時期に追加発注をいただきましたよね。
今:最初に1,000本納品いただいて2023年3月中旬にもうどく展をスタートしたのですが、3月中にはなくなってしまうのでは、という勢いでした。4月中旬には追加で3,000本納品いただきました。
中:お客様からの反応はいかがでしたか?
今:お客様の反応はかなり良く、皆さんに「かわいい!」と言っていただけました。
キャンディ付きチケットを購入された層では小さなお子さんを連れたご家族が多かった印象です。 また若い女性を中心に、多くのカップル、学生さんなどにも“映え”を狙ってキャンディの写真を撮るためにご購入いただきました。私自身キャンディを手に持って会場を歩いている人を見る機会が多くあり、「それそれ!」と思いながら見ていました。
中:まいあめでもSNSでの反響を追っていたのですが、かなりアップしてくれている人が多い印象でした。まさにキャンディ製作を企画した最初の意図通りになったわけですね。
特別展の企画を考える上で大切にしていること
中:今回のもうどく展をはじめ、かなり個性的な特別展をたくさん開催されているサンシャイン水族館さんですが、特別展の企画を考える上でどのような点を大切にされているのでしょうか。
今:あくまで「生き物が獲得している能力を紹介する」ことを主眼に置いて企画を考えています。ただ奇抜なテーマを考えるのではなく、見に来た方に特別展を通じて生態の面白さを伝えていくことを重要視しています。
一方で「どう興味を持ってもらうか」という点も大切です。今回のように目を引くノベルティをつけたり、会場全体を写真映えするようにコーディネートしたりと、いろいろな角度から工夫しています。
中:特別展の企画自体はどのくらいの人数で考えていらっしゃるんですか?
今:今回のもうどく展に関しては、企画構想や展示生物種の選択、戦略立案を行うメイン担当は飼育スタッフを中心に3人程度です。そこにサンシャインエンタプライズで働いているいろいろな職種の者からヒアリングした意見を加味しながら特別展をつくり上げていっています。
どうしても飼育スタッフとして働いている3人だけで考えていると知識が生物に偏ってしまうんですよね。別の角度からの意見はスパイスになります。今回まいあめさんと一緒にお仕事をしたように、水族館とは別業種のものと掛け合わせた企画も面白いなと考えています。例えば私はスニーカーが好きなので、水族館とコラボした防水靴なども面白いですよね。多様な意見を取り入れながらさまざまな分野とかけあわせて企画を考えるというのは大切にしています。
サンシャイン水族館が考える「飴の商品価値」
中:サンシャイン水族館さんで取り扱う上での飴の価値というのはどういったところにあると思われますか?
今:見た目のかわいさ、手に取りやすさは魅力だと思います。価格も手頃なので「サンシャイン水族館オリジナル」という名前をつけてお土産として展開すると需要はかなりあるのではないでしょうか。
飴は色を使った表現ができるので、ペロペロキャンディ以外にも、切っても切っても同じ絵柄が出てくる組み飴で生き物をつくるなど、可能性は無限大だと思います。
今後のまいあめに期待すること
中:サンシャイン水族館さんが今後まいあめに期待することがあれば教えてください。
今:今回の製作ではかなり臨機応変に対応していただいたので、ご対応自体にはとても満足しています!今後も自分たちが求める商品を飴で具現化していけるとありがたいと思います。やはり理想は生き物の形、柄の飴があると嬉しいです。
中:形や柄にもよりますが、ご相談いただければまいあめでできることを考えていきたいと思います。生き物にしっかりと向き合った上で魅力的な企画を数々考えられているサンシャイン水族館さんは、まいあめとはまったく違う視点をお持ちで、とても勉強になりました。本日はお忙しい中ありがとうございました!