お客様インタビューInterview
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- お客様インタビュー 09
船橋株式会社
大正10年に創業し、100年を超える歴史を持つ船橋株式会社。合羽や防水エプロンの製造・加工・販売業を中心としながら、近年では大手自動車部品メーカーとのコラボレーションによるアップサイクルなど、多角的なものづくりを展開しています。
2023年には新工場及び新社屋を竣工。その落成式で関係者に配布するノベルティの製作依頼をまいあめにいただきました。飴の製作を企画した経緯や、飴を活用したマーケティングの可能性などについて、3代目社長の舟橋昭彦さん、そして「社長のミギウデ兼企画課経営企画Gサブリーダー」という肩書きで活躍する大谷真奈美さんにお話を伺いました。
100年を超える歴史を持つ船橋株式会社
中村(以下、中):まずは船橋株式会社さんの事業内容を簡単にご説明いただけますでしょうか。
舟橋さん(以下、舟):船橋株式会社は、初代社長の舟橋勝治が防水布製造販売業を始めた大正10年(1921年)から100年超にわたり、合羽や防水エプロンなどオリジナルの防水製品の製造をメインにものづくりを行ってきました。「船橋の商品を通じて、ハードな現場で働く人たちをヒーローのようにイキイキと輝かせる」ことを事業目的に掲げています。
企業として社会課題の解決に寄与する取り組みも積極的に展開しています。例えば医療ガウン不足が叫ばれたコロナ禍においては、3県6社の中小企業と協力して「トヨタ生産方式」によって生産量を伸ばし、医療現場の安全に貢献しました。また大手自動車部品メーカーとの協働により不要になったエアバッグ素材をバッグやエプロンに生まれ変わらせるアップサイクルにも取り組んでいます。
中:ものづくりを通じて社会的意義の高い取り組みを展開されている船橋さんの姿勢はとても印象的だなと感じます。その姿勢は100年の歴史の中で受け継がれてきたものなのでしょうか?
舟:そうですね。実は先日、先代の父が生前に記していたノートが見つかったのですが、その中に「何のために事業をやっているのか。社会に認められるから事業は成り立つ。世のため人のために役立つことをする」という言葉があったんです。私自身も「これがあって良かった」と言ってもらえるようなものづくりをしていくことが、船橋の事業の意義だと考えています。
そして事業を通じて誰かに「ありがとう」と言ってもらえることは、社員の“働きがい”にもつながります。働きやすさというのは給与や福利厚生などの労働条件である程度決まってきますが、働きがいは自分たちの事業が誰かの役に立っていると実感することで生まれるものです。船橋では今後も、誰かに喜ばれること、そしてそれを社員が実感できることを重視して事業を展開していきたいと思っています。
「河童の組み飴」の企画の背景
中:今回、河童の組み飴の製作をまいあめにご依頼いただきました。この飴の製作を企画された背景を教えてください。
大谷さん(以下、大):2023年に竣工した船橋の新工場・新社屋の落成式で配るノベルティを考える中で、この河童の組み飴のアイディアが生まれました。会社の100周年にあたる2021年はコロナ禍で記念イベントを実施できなかったため、その記念品も兼ねています。
ノベルティはレインコートなども考えたのですが、皆でお揃いのレインコートというのも少し微妙だなと…。そんなときに合羽屋として「雨」と「飴」をかけてはどうかというアイディアが生まれて、これを超えるアイディアはない!と思い飴の製作を決めました。
中:まいあめでもこのアイディアを聞いたときに、すごく良いな!と思いました。洒落がきいていますよね。
大:いわゆるダジャレですね(笑)。船橋の商品名もダジャレから来ているものがすごく多いため、ダジャレのアイディアは割とすぐに浮かぶんです。
新工場・新社屋は「河童の住処」をテーマにしていることもあり、飴の絵柄は河童にしました。新工場・新社屋のお披露目の場で配るにあたってすごくマッチしたノベルティになったなと思っています。
まいあめへの依頼の経緯
中:まいあめに飴の製作をご依頼いただいたのにはどういった経緯があるのでしょうか?
大:実は飴をつくることを思いついてから製造会社を探したのではなく、まいあめさんの存在から飴の企画を思いついたという経緯があるんですよ。
元々ノベルティをつくる際は、船橋と関係性のある企業に製作をお願いしたいなと考えていました。そんなときに知り合いが結婚式のプチギフトとしてまいあめさんの飴を利用したという話を思い出して今回の飴の製作の企画につながったんです。
舟:つながりや地域の活性化を大切にするというのは、船橋が重要視している部分です。ノベルティ製作においても同じ名古屋でものづくりをしている会社に依頼したいと思っていたからこそ、まいあめさんにお願いさせていただきました。
製作から納品までのやり取りと、出来上がった商品の感想
中:納品までのまいあめとのやりとりはいかがでしたか?
大:すごくスムーズでした!こういった依頼をする場合、通常は見積もり依頼を送ってから実際にお見積りをいただくまでに結構なやり取りを経る必要があります。しかしまいあめさんは不確定要素が多い中でも分かりやすい見積もりをすぐに出してくださったのでありがたかったです。特に船橋の場合、新工場の建設というかなりお金がかかる時期での発注だったため、早くに金額がわかるのは助かりましたね。
中:出来上がった商品を見た感想はいかがだったでしょうか。
大:オリジナルの河童のキャラクターがかわいいなと思いました!「河童の住処」という新工場・新社屋のテーマにもマッチしていますし、飴ごとに少しずつ顔が違うのも個性豊かでかわいいです。
まいあめさんからご提案いただいた、河童がエプロンを着ているこのデザインもとても気に入っています。顔だけのデザインの飴は割と多くありますが、河童がエプロンを着ているデザインにしたことでオリジナリティのある船橋らしい飴になりました。サイダーの飴で透け感がある水色も、水の爽やかな感じに合っているなと思います。
大:味もジューシーさがあって美味しいと好評でした。ばくばく食べている社員もいましたよ(笑)。船橋では工場で働いているパート社員を「クルー」と呼んでいるのですが、クルーの皆がかなり喜んでくれているのが印象的でした。仕事の合間に少しおしゃべりをするときなどにつまめるのでちょうど良いですね。
中:社員の方との会話のきっかけにもなっているんですね。皆さんに愛される飴になっているようで、まいあめとしても嬉しいです!
飴を見たお客様の反応
中:落成式で配布されたお客様からの反応はいかがでしたか?
大:皆さんすごく喜んでいただけていますよ!落成式で配布するためにつくったものではありますが、そこに限らずいろいろなお客様にお渡ししています。営業の際にも持って行っていますよ。
先日ポートメッセなごやで行われた「緑十字展」という作業用品や安全用品の展示会にも持参して配布しました。他の企業様が出されるノベルティは軍手や防塵マスクなどが多いので、飴を配ることで目を引くこともできました。「何で河童なの?」と聞かれることも多いので、お客様との会話のきっかけにもなっていますね。
舟:落成式に呼ぶことができた方は一部なので、それ以外の方にもお渡しできるよう常に鞄に入れて、いろいろな機会を捉えてお客様にお配りしていますよ。
飴のパッケージに新社屋の写真をつけているので、お客様を新社屋にお招きする良いきっかけにもなっていますね。今回の新社屋のコンセプトはユーザーや代理店、仕入れ先など皆で集まって、今までにないようなものづくりをする拠点としていくこと。飴をきっかけに新社屋にその流れを生むという、良い連動性を感じています。
飴の商品価値と新たな可能性とは?
中:お話を聞いていると、ノベルティとしてご依頼いただいた商品ではありますが、営業ツールや広告ツールとしても活用いただいているんだなと感じます。船橋さんでは飴の商品価値をどのように捉えていらっしゃいますか?
舟:飴を通じて、事業への思いをお客様に伝えることができるんだというのは自分の中ですごく新鮮でした。言葉でただ伝えても95%くらい忘れられてしまうことも、河童の飴を配ることで人々の記憶に残るものになるのではないかと思います。
ただし、ずっと同じものを配っているだけでは印象が薄まってきてしまうため、次の展開も考えていかなくてはなりません。色違いの飴を出すものも良いですし、ハードな現場で働く人を支える飴として「河童の塩飴」をユーザーの皆さんに配るのも良いかもしれませんね。
中:営業先だけでなく、船橋さんの製品のユーザーである現場の方に配るというのは、また違う飴の活用方法になりますね。
舟:ユーザーの方に配ることで、飴をマーケティングに活用するという別の角度の展開も期待できます。次回はパッケージにQRコードをつけてGoogleフォームでアンケートに答えてもらうのも良いかもしれません。実際に船橋の製品を利用しているユーザーの生の声をダイレクトに収集していく上で、飴をつけたアンケートを配布するというのは有効だと思います。
大:商品を販売した後に継続してユーザーとつながり続けるというのはメーカーにとってなかなか難しいので、飴をきっかけにユーザーの直接の声を聞く機会をつくっていけたら嬉しいですね。飴とアンケートを一緒にすることで、先にギブをすることになるのも良いと思います。答えてもらいやすくなりますよね。
舟:最初のお話につながりますが、アンケートを通じて自分たちの商品がどういうところで喜ばれているのかが分かることで、クルーも含めた社員の皆のモチベーションにもつながっていくものになると思います。
今後のまいあめに期待すること
中:今後のまいあめに望むことがあれば教えてください。
舟:今お話したように、船橋では今後いろいろなユーザーの方の意見を聞く動きをしていきたいと思っています。しかし紙のアンケートを配るだけではなかなか答えてもらえません。飴をアンケートに有効活用していけるような機能を強化してもらえるとありがたいなと思います。
中:なるほど。飴にマーケティングとしての付加価値をつけるということですね。具体的にどのようなサービスがあると良いと思われますか?
舟:アンケートの質問設計や集計はノウハウがないとハードルが高く感じられますし、それをマーケティング会社に委託するのも費用がかかります。まいあめさんに飴とアンケートがセットになったようなサービスがあると嬉しいですね。
飴にプラスしてアンケート回答を誘導するようなパッケージデザイン、さらには集計まで行ってもらえるようなトータルのサポートがあると、マーケティングとしての飴の付加価値がすごく高まると思います。
大:今回の飴も落成式だけでなくさまざまな場所で配布しましたが、必ずしもすべてのケースでお客様との有効なコミュニケーションにつながったわけではなく、飴を配っただけで終わりになってしまったケースもあります。そういう意味でも、あらかじめアンケートとセットになった飴があるというのは良いですね。
中:船橋さんがノベルティという枠を超えてさまざまな場面で使用してくださったことで、飴の新たな可能性が広がったなと感じました。本日はありがとうございました!