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ノベルティや販促などに最適なオリジナルキャンディーを製作

お客様インタビューInterview

株式会社SIGNING

SIGNINGさんアイキャッチ

「新しい世界に道標を。」をミッションに掲げ、社会課題の解決と新市場創造に取り組む株式会社SIGNING。渋谷アイデア会議「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2022」にて配布する、「どこを切っても違う顔」がテーマの“渋谷飴”の製作依頼をいただきました。企画の立ち上げから関わっている青沼克哉さん、プロデューサーとして製作過程やイベント実施に携わった高橋比香理さんに、渋谷飴の製作意図やイベントでの反応、メディアとしての「飴」の可能性などさまざまなお話をうかがいました。

まず、株式会社SIGNINGについて教えてください。

高橋さん(以下 高):ソーシャルグッドと新市場の創造をテーマとした会社で、私たちは「ソーシャルビジネススタジオ」と呼んでいます。会社の課題と社会課題を同時に解決するためのソリューション、アイデアを提供しています。

これまでには、三井物産などと4社が共同で設立した新しい脱炭素プラットフォーム「Earth hacks」の立ち上げや、ポイントを寄付して災害時に防災用品を届けるポイント寄付システム「BOSAI POINT」の企画運営、未利用魚(釣り上げても市場に卸さず廃棄される魚)を使ったエシカルフード「ZACO YAKI」の開発など、社会課題を起点としたさまざまなビジネス開発を手がけてきました。

今回製作した「渋谷飴」の意図や、まいあめに依頼した経緯はどのようなものでしょうか。

青沼さん(以下 青):もともとは2年前に渋谷区後援のもと実施された「ACC YOUNG CREATIVITY COMPETITION」というアイデアコンペにおいて、組み飴をモチーフとした企画で受賞したのがきっかけです。そのコンペ自体が「ダイバーシティ&インクルージョン」をテーマにしていたため、「どこを切っても同じ顔」ではなく「どこを切っても違う顔」が現れるキャンディーを製作する、というプロジェクトを立ち上げました。

飴にしたのは渋谷区に縁のあるさまざまな人です。ただ飴のデザインにするだけでなく、それぞれの人にインタビューを行いました。「ダイバーシティ」がテーマなので対象者はできるだけいろいろな属性の方にしましたが、インタビューでは多様性にフォーカスしすぎず、好きなものやハマっているものなど、個性の部分に注目した質問をしています。その内容をまとめた1冊のリーフレットと、「どこを切っても違う顔」の渋谷飴というプロダクトを製作しました。

渋谷飴キービジュアル

:渋谷飴の製作にあたっては、「金太郎飴」「オリジナル飴」で検索をして出てきたいくつかの業者さんの中から、まいあめさんにお願いすることにしました。

正直、他の業者やメーカーでもつくれるのだろうな、ということは薄々思ってはいたのですが、まいあめさんは他の業者さんと比べて「どんな人がつくっているか」という、顔が見える感じがあったのが印象的でした。

中村(以下 中):そう言っていただけるとありがたいです!Webサイトの情報を見て選んでいただけたということでしょうか。

:そうですね。実績が豊富なことも決め手にはなりましたが、Webサイトを通じて感じた「つくっている人の顔が見える」という部分は大きかったです。

まいあめに発注するにあたり、製作に不安はありましたか。

高橋(以下 高):まいあめさんに対してというよりは自分たちのことですが、スケジュール面でタイトだったな、というのはありました。

飴にする人が16人だったので、インタビューも16人分行う必要がありますし、当然飴にするお顔のデザインも16種類必要です。
取材のためのアポ取り、そしてその方たちの顔を飴のデザインに起こすまでの工数を考えても、飴の製作スケジュールの期間があまり取れず、まいあめさんにご負担をかけるのが忍びないという気持ちでした。

デザインの種類が多い分大変ではありましたが、まいあめさんのおかげで乗り切れて、本当に感謝しています。

:まいあめさんの頼もしさは半端じゃなかったですよ。(笑)

ただ、デザインしたものが飴になったときに、どのくらい見た目の変化があるのか、その度合いがわからないのは正直不安ではありました。でもいざ出来上がってみると、手作りならではのゆがみが良い意味で味になっているなと思いました。100%再現されてしまうと飴ではなくても良いのではないかという話にもなってしまいますよね。手作り感や人肌感が伝わるものになったのは、むしろ良かった点だと思います。

最初に商品を見たときの感想はいかがでしたか。

:何だろう…。アウトプットのイメージはできていたのですごく驚きがあったというわけではないですが、取材やデザインを経てお渡ししたものが飴として小さく出来上がってきて、何というか「自分の子供が出来上がった!」というような気持ちになりましたね。(笑)

普段の制作物って、特に自分は2Dで完結するものや、デジタルデータのものも多いんです。こういうふうに立体物で、手にとって口にも入れられるものとして出来上がることの感慨深さみたいなのはすごくありましたね。あとは単純に「おいしいな」とも思いました。

:今回の企画は、人を取材して飴にするという少し変わった案件でもあったので、「○○さんが飴になっている!」という感動がありました。私も普段は映像や広告制作に携わっているので、実際にプロダクトとして手に取れるものをつくる良さもすごく感じましたね。

:人に見せたくなるよね、どんな仕事よりも。

:「できたよ!」って言いたくなりますよね。今回の案件に携わってくれた方や仲の良い人に結構お裾分けもしましたよ。「おいしいね」とか「かわいいね」と言ってもらえてすごく嬉しかったです。

渋谷飴を配った「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2022」というのはどのようなイベントだったのでしょうか。

:渋谷区に関わっている人がアイデアを持ち寄って、それを形にしたりディスカッションしたりするビジネスカンファレンスのようなイベントです。私たちは渋谷区のMIYASHITA PARKでサンプリングをさせていただきました。

:飴のサンプリングならもっと子どもがいそうな場所だったり、お祭りとか音楽イベントで配布することも考えられるのですが、渋谷区に携わるビジネスパーソンの目に触れるということが、このプロジェクトを次の段階に進める可能性があることなのではないかと考えました。いろいろな企業のアイデアをうむ起点となるプロダクトとして、こういったイベントで露出していくのが良いのではないかと。

イベントで渋谷飴を配布したときの反応はいかがでしたか。

:すごく反応が良かったです!MIYASHITA PARKは年齢も国籍も多様な方がいらっしゃるのが特徴なのですが、言葉や世代が違っても前のめりにもらっていただける感じがありました。

単に「もらってもらえて嬉しい」ということもありますが、飴だからこそ生まれるコミュニケーションというものも感じましたね。子どもが「自分も飴になりたい!」と言ってくれたり、性教育にまつわる講義をしている看護師の方が「学校の授業で使いたい」と言ってくれたり。東京のお土産に持ち帰りたいという方も、自分の企業でも作りたいという方もいて、本当にいろいろな反応をいただけたのが嬉しかったです。

:手渡しするものだからこそ、喜んでくれるところを見られることに感動がありました。目の前でおいしいと言ってくれたり、飴をつくった意味を考えてくださったりしているのを見ることができたのは嬉しかったですね。

:今回は筒状のパッケージの中に飴を入れて配るという形でしたが、配りやすさなどはいかがでしたか。

:手渡ししやすかったですし、筒のデザインもカラフルでかわいらしかったですよね。あと配るだけではなくて、大きな箱に個別の飴をどさっと入れて「ご自由にお取りください」としていたのですが、それもそれで、かわいいし選ぶ楽しみもあって良かったと思います。

:「選んでもらう」というのも、今後の展開として面白そうですね。今回のテーマには多様性やダイバーシティもあったとのことですが、渋谷飴を配ったことでそのテーマを訴求できましたか。

:色々な人がいることを知ってもらおう、というだけならリーフレットを置くだけでも企画は成立すると思うんです。でもリーフレットだけを置いてももらってくれる人なんてほとんどいないでしょうし、「ダイバーシティ」という言葉の意味だけを知ってもらっても仕方がないですよね。

そういう意味では、飴をきっかけとしてリーフレットを読み耽ってくれる方もいたので、良かったんだろうなと思います。シンプルに飴を通じて楽しんでもらい、興味を持ってもらう人が一人でも増えることが、結果としてダイバーシティの理解にもつながるのではないかなと思いました。

1つの紙筒に入っているのが16種類と多いので、家族や友達で分けあったりすることで会話のきっかけにもなるかなと思います。

:飴という形にしたことで、もう少し身近になって考えてくれる人が増えたような肌感はありますね。同じことを訴求していても、チラシやリーフレットだけなのと飴を配るのでは大きく違ったのではないかと思います。

:やっぱり飴にしたことで、受け取ってくれる人の母数が圧倒的に増える感覚はありました。実はイベントの前日、誰にももらってもらえないという夢を見たんですよ。(笑)クライアント案件でイベントに関わることはあっても自分が当事者として関わることがなかったので緊張していたんでしょうね。でも実際にはたくさんの人がもらってくれたので安心しました。特に土日はすごい人でしたね。ほぼ完全に配り切ることができました。

実際にインタビューをした方を飴にしましたが、本人たちの反応はいかがでしたか。

:みなさん恥ずかしそうではありましたが、嬉しそうにもしていました。飴にした方の娘さんが「自分のお父さんがいろいろな人に食べられると思うとウケる」と言っていましたね。(笑)

インタビューの依頼をするときも、「インタビューをして、飴にさせてください」というお願いなので、「面白そう」と言ってくれる方が多かったです。「ダイバーシティの飴です」と説明しても伝わりづらいと思うのですが、「『どこを切っても同じ顔』ではなく『どこを切っても違う顔』という飴なんです」と説明すると、ほとんどの方がすぐに理解してくれました。

パッケージ製作もさせてもらいましたが、まいあめとのやりとりはいかがでしたか。

:「こういうことができる」というアイデアをどんどん出してもらえてありがたかったです。紙缶も、高いからできないだろうなと思っていましたが、意外と何でもできるんだな、と思いました。

:予算や実現性の可否などいろいろ制約もあるなかで、企画意図をずらさず製品化するための悩みに向き合っていただけました。

営業としては、下手したらパッケージ製作から別会社になる可能性もあると思っていたんです。でも飴だけではなくパッケージ、アッセンブリまですべてやっていけたので本当に助かりました。直接やりとりできたことで、やりたいことを表現できたと思います。別会社を入れていたらもっと納期が伸びていたと思うので、そういう面でも楽になりました。まいあめさんに並走していただいた上でこの商品になったので、とても感謝しています。

広告物としての飴の価値はどうお考えになりますか。

:私自身、飴を「甘いもの」「気分をすっとさせるもの」としてしか認識していなかったのですが、この企画で「飴が何かを伝えるための媒体になる」というのは発見でした。色もデザインもバリエーションが持たせられるし、食べておいしい、間にはさんで会話をすることもできるという、いろいろなアプローチができる媒体だということを初めて知りましたね。ただのおやつではない、飴を使って表現できることがあるのだという可能性を感じました。

:ノベルティとして捉えるか、メディアとして捉えるかで変わるんだなと思います。今回渋谷飴をつくったチームの中では、渋谷飴を「ローカルメディア」として捉えると面白いよね、という話をしていました。もの自体は飴ですが、地域の魅力をアピールするツールと捉えるとメディアになるんですよね。

例えば駅に貼られているポスターは、それ単体だとただのポスターですが、ポスターを謎解き出題として使うと、街全体が謎解きの街になる、ということがありますよね。そういう風に、ちょっとした工夫次第でメディアは全然違う捉え方ができるので、飴も別の捉え方がまだまだあるんだろうなと思います。飴ならではの使い方を考えると、交換することを前提にしても何か企画ができそうです。

: 個人的には今回の渋谷飴のイベントを見ていて、飴を手渡される瞬間や食べる直前に、飴を意識する時間が長く生まれる感じが面白いなと思いました。なので、人の顔を飴にすることで「この人はどういう人なんだろう」というところに意識がいったり、作り方に思いを馳せたり、工夫すれば飴以外のところに意識を向ける良いトリガーになるんだろうなと。飴を作って配って終わり、ではなくて飴をきっかけに他のものを見てもらう、興味を持ってもらうきっかけにもなると思います。

:「ただのおやつじゃない」という飴の可能性を広げていただき、弊社としてもすごく刺さりました!今後の横展開も含めて、飴を活用した企画はできそうでしょうか。

:まったく同じ形での横展開は難しいとは思いますが、ローカルメディアとして他の地域でも展開することは考えられると思います。インバウンドの需要も高まってきているので、外国のお客様がたくさん訪れるようなまちやイベントに合わせてその地域の魅力を発信するツールとしてつくっていったら良いのではないかと考えています。

:今回いろいろな方の顔を飴で表現したことで、スポーツチームやタレントグループ・企業に所属している方のお顔をつくるといったこともできるなと思いました。意外と表現の自由度が高くて、飴を使って何かを表現する可能性はまだまだあるなと感じましたね。普段はチラシ、映像、音楽をつくることが多いのですがが、飴は味や匂い、手触りがあるものなので、そういう意味でも表現の幅がありますよね。

ファングッズにもなり得るし、ローカライズのグッズとしても良いと思います。街づくりにおいてのコミュニケーションやPRにも活用できるかと思います。提案物としての武器が増えた感じがあるので、常に使えない隙がないかうかがっていきたいです。

:確かに飴を使った地域のグッズというのはありますが、どうしても有名な観光地のものに限られますよね。今回のように地域のいろいろな人を集めるというのは面白い試みだし、「表現の自由度が高い」とおっしゃっていただけたので、新たなアイデアが湧きそうです!

今後のまいあめに望むことがあれば教えてください。

:もともとのデザインからのゆがみが味になっている、というのは間違いないのですが、それがどのくらいのものなのかというのがあまり頭に入っていなかったので少し不安がありました。「もともとのデザインがこうで、これくらい変わる」というイメージ写真が載っていたらもっと仕上がりのイメージがしやすかったかなと思います。今もあるのかな、とは思うのですが。

:あるにはあるのですが、どこにあるか少し分かりづらいかもしれません。お客様に「こういう場合もあるんだな」と思ってもらうためには必要ですよね。

:ただまいあめさんは、他の飴業者さんと比べてできあがる過程などを綺麗に発信されていると思います。依頼にあたっても、飴をつくることだけではなくて、情報発信のクオリティにも気を遣っていることに対する安心感はありましたね。情報発信が丁寧なのであれば、飴の製造工程も丁寧なのだろう、と。また「SNSを通じた世の中とのコミュニケーションを丁寧にされているのであれば、きっと飴を注文したいという僕達に対しても丁寧にコミュニケーションをとってくれるんだろう」という、コミュニケーションの部分での安心感もありました。

:弊社としても大事にしている部分なので、おっしゃっていただけて嬉しいです!レスポンスを早くしたり、お客様とのやりとりを密にしたりというコミュニケーションの部分を大切にしているので、わかってくださるんだなと思うと励みになります。

貴重なご意見をいただきありがとうございます。本日はお忙しい中、ありがとうございました!