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日本の伝統の「組み飴」を新しいコミュニケーションツールに。オリジナルキャンディー製作まいあめ

お客様インタビューInterview

国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)

国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)

まいあめは、地方自治体、独立行政法人、国公立大学などの公的機関からの依頼も多く受けています。今回、年に一度の一般公開日の来場者数が年々軒並み増え、さらにYoutubeチャンネル登録数4万人を誇る、「国立研究開発法人物質・材料研究機構(通称NIMS:ニムス)」広報室の小野瀬さん、超伝導位相エンジニアグループのリーダー有沢さんにお話を伺いました。

まず、NIMSについて教えて下さい。

有沢さん(以下 有):日本の中で唯一「物質・材料」を専門に研究を行っている、国立の研究開発法人です。
もともと「金属材料技術研究所」と「無機材質研究所」という名前だった二つの大きな研究所が合併をして、それぞれが積み重ねたノウハウをもとに新しい研究を続けています。

国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)

まいあめを使われた経緯を教えて下さい。

小野瀬さん(以下 小):研究所で開催される、年に一度の一般公開日において、アンケートに協力いただいた方に渡すノベルティを製作したいと考えました。せっかく作るならロゴを入れるだけでなく、科学技術の面白さが伝わるようなものでないと作る意味がないと思いながら、いろいろな素材を探していました。そんな時、超伝導の線材の作り方が組み飴を作る工程とよく似ているよ。と教えてくれたのが有沢さんでした。

:組み飴と同じ作り方をする材料はいくつかあるのですが、超伝導の線材はそのひとつです。実は光ファイバーも似たような 作り方なのですが、飴のデザインとして物足りないな、と思って。笑

:「超伝導飴」っていう語呂もよかったのです。大勢の人に配れて、一個あたりの単価も安かったので、それも追い風になりました。

小野瀬様/有沢様

まいあめを選んだ決め手はなんでしたか?

:実は5社くらいに見積依頼をしたのですが、法人契約できないところが多く、断られることもあったのですが、まいあめさんにはすんなりOKをいただけて。。また、一般の方は超伝導線材にそんなに興味があるわけでもないため、まずは映像などから興味を持ってもらうことが必要で、知ってもらって「おもしろいな」と思ってもらえることができればいいなと思っていました。

そのため、製造工程の取材をさせてもらえるところ、図柄の解説カード入りのパッケージ化も担ってもらえるところがマストで。。取材NGだったり、パッケージ化は不可と断られることが続き、困っている中でまいあめさんに電話をし、こちらの希望を伝えたところ、自信を持って電話対応をしてくださり、こうしたらもっとよくなると思います!と逆に提案をもらったところから、「飴をより良くしたい」という気持ちがとても伝わってきて、ここにお願いしよう!と決めました。その後もやりとりをすればするほど、どんどん楽しみになってきて、「ここに決めてよかったな」と何度も思いました。

:超伝導の図柄の解説をいれるのも、カードの印刷から封入すべてやってもらえたのも大きかったね。
広報室で内職的にやってたら大変なことになってたよね。笑

一同笑い

作成したオリジナルキャンディー

今回作られた図柄の意味を教えて下さい。

:図中の白い部分と赤い部分の境目に超伝導の物質ができます。
性質上細い状態から作るのは不可能なため、最初に太い状態のものを作って細く細く伸ばしていくのですが、この「伸ばす」という行為によってたくさん電流を流すことができたり、プラスの効果もあります。とくに物質ができる「境目」の部分がとても重要です。

:いままで超伝導の線材は違う材料で作られていて、当時実用化もされていたのですが、より強い磁場に耐えられる材料を開発する必要を求められました。今回の図柄はV3ガリウムを用いた超伝導になるのですが、V3ガリウムというのはもともと強い磁場に耐えうるポテンシャルがあるということはわかっていましたが、この物質が非常に硬いことが問題でした。

バナジウムとガリウムを組み合わせると強いポテンシャルが出て硬くなってしまうので、最初のバラバラの状態のときに線材にして加工をすれば、表面で化合反応をして超伝導状態になるという「ブロンズ法」が開発され、当時閉塞気味だった超伝導界に大きな可能性をもたらしました。

:ブロンズは銅との合金。熱処理をすることで境目にじわじわと拡散をして、ぼやけた部分に必要な物質ができます。

中村(以下 中):それでこのデザインなのですね。まさかこの境目が重要だとは思いませんでした。

:その表面積をすこしでも大きくするために、細くして撚り合わせ、細くしてまた撚り合わせているんです。

:まさに組み飴と同じ加工法なので、この作り方を来場者に伝えることがとても重要だと思いました。

元になった「超伝導」と作成したオリジナルキャンディー「超伝導飴」

実際に来場者の方の反応はどうでしたか?また、NIMSの皆さんの感想もお聞かせください。

:一般公開日に向けて、事前にyoutubeで「超伝導飴」のPR動画をアップしたところ、当日までに3万回を超える再生回数(現在は7万回超)を叩き出したので、ひとまず皆さんの興味をひくことができたと確信をしました。さらに、当日は過去最多のアンケート回答数だったので、超伝導と飴のコラボレーションは大成功だったと言えます。

:NIMS内でも評判がすごく良くて、超伝導の研究者からも好評を博しました。もったいなくて食べられないね。という話もでていましたよ。

:ありがとうございます。私たちもそのような感想をいただきとても嬉しいです。ちなみに、

超伝導飴

NIMSさんはYoutubeで国内の公的な研究機関・大学の中ではNO.2のチャンネル登録数を誇っていたり、国の機関として広く周知をしていくこと、 情報を発信していくことの重要さをNIMSさんは意識されていると感じるのですが、その点はいかがでしょうか?

:広報室長の小林が言うには、材料科学というのは、まだまだ一般の方に面白さを知られていない分野。

そんな中で、NIMSのことを一生懸命PRしても、まず材料の面白さをわかってもらえていないのだから、NIMSのこともわかってもらえないだろう。まずは材料に関する認知の底上げをしていかないとならない。つまり、NIMSは材料科学分野の兄貴分として底上げを担っていこう。という信念を持っています。NIMSすごいぞすごいぞ。だけじゃなくて、「材料おもしろいぞ。」ということをまず一般の方々に知ってもらおうというフェーズです。

やはり小林が元NHKの科学番組ディレクターということもあるのですが、うちの研究所だけ伸びれば良いというよりは、もっと広い目で日本の科学分野を見て、そこから底上げをしていきたいという信念があります。なので、サイト内にある「材料のチカラ」という特設ページも、あまりNIMSのことは出てきません。それが勿体無いという方もいるのですが、敢えてなのです。あまりCM色を出さない。あのページはNIMSのPRページではなく、材料科学のページなのです。そこから興味をもってもらえればいいな。をコンセプトにしています。

それと、他の研究機関と違うと思うのは、広報室は室長の小林を筆頭に、エンジニアやウェブデザイナー、イベント担当の専任がいたり、みんな元の仕事を生かしてアサインしているんです。パネル作りや映像作りも、内製できる部分は全部内製しています。お金はそれほどかけないけれど、発信力がある。それがわたしたちの強みだとも思っています。

オリジナルキャンディー「超伝導飴」の展示ブース

藤井(以下 藤):実はまいあめには若い職人が二人いるのですが、「組み飴の伝統を次世代に繋いでいきたい」というのがもともとまいあめができた所以でもあるので、その子たちにしっかり技術を身につけてもらって、次の世代にバトンをつないでいけたらいいね。というのが夢なのです。そのためには、この文化、技術を残していくためには、もっとコンテンツを出して、発信をしていかないと。というのがいつも頭にあって。なので、国の研究機関なのにこんなにもコンテンツを出し続けていて、しかも専門的に詳しくない人にもわかりやすい、たのしいと思えるコンテンツで、これが内製ってNIMSさんはすごいねって話していたんです。学ぶべきことがたくさんあると今日も改めて感じました。

:まいあめも、うちだけがいい。うちだけが続いていけばいい。という考えではなくて、飴全体の文化を残したい。と思っていて。

:広く伝えないといけないという_部分に関しては、共通かなあと、勝手に思わせていただいてました。

:やっぱりあめ全体の文化を残していく、というところまで考えているんですね。

:江戸時代から続いているということですからね。

:やはりどこの飴屋さんも後継者問題を抱えていて、継ぐ人がいないと廃れていってしまうので、技術をバトンでどんどん繋いでいけるようにサポートしていくのも、わたしたちの使命かなと思っています。

:駄菓子は単価がとても低いし、そのほとんどが規模の小さいメーカー。どうしても大手企業には敵わない。そうなると若い子を雇う資金もなく、さらに若者離れが進んでしまいます。そうならないために、なんとか価値をプラスアルファしてつけていかないと、と常に思っています。やっぱり、組み飴も、身近にあるけどわかりづらいもの。うまく伝えていくためにNIMSさんの話を聞きたいと思っていました。貴重なお話をありがとうございます。

それでは、最後に、今回の感想をお聞かせください。

:これは広報室長の小林の言葉なのですが、、、超伝導飴は、一粒で三度美味しいツールになりました。
ひとつは、当初の目的だった来場者アンケート回収率の向上。もうひとつは、事前に超伝導飴のPR動画がイベント当日までに3万回の再生回数を超え、一般公開の来場者数向上に貢献。

最後に、超伝導の電線についての宣伝になった。ということです。NIMSとしても、個人としても、自分でこのような企画を立ち上げたり、ノベルティを作るのはひとつの夢だったので、初めて実現して、しかも専門家の方からも一般の方からも好評を博して、珍しく室長にも褒められて、、、笑
本当に思い出深い企画となりました。進んでいく中でも毎日が、毎回ステージが進むごとにわくわくするような企画でした。

:そうそう!こんなに楽しそうに仕事をしているのは珍しかった!

一同爆笑

小野瀬様/有沢様

:いやいや!いつも楽しくしているんですけど、大変な仕事も多いんです!笑

:もう折角だからあだ名の話もしておいたら?イベント準備中、あめこって呼ばれていたんですよ。あめの話ばっかりするからって。笑

一同笑い

:本当にみんなの思い出に残る企画となりました。ありがとうございました。

:この度はありがとうございました。